【「脳髄に咲く、永遠」西脇順三郎論・雑誌「みらいらん」10号のお知らせ】
まぶしい陽射し、木陰の涼しさが恋しくなります。
はやくも夏本番ですね!
今日は、評論掲載のお知らせです。
池田康氏編集・発行・洪水企画「みらいらん」10号に、
西脇順三郎論「脳髄に咲く、永遠」を寄稿しました。
今号の特集は、「西脇順三郎 世界文学としての詩」。
西脇順三郎(1894-1982)は、日本の詩の伝統にとらわれない
シュールで斬新な言語感覚を持ち、西欧文学や芸術世界への広やかな知を基盤に
多くのすぐれた詩を残しました。
カルモヂインの田舎は大理石の産地で
其処で私は夏をすごしたことがあつた。
ヒバリもゐないし、蛇も出ない。
ただ青いスモモの藪から太陽が出て
またスモモの藪へ沈む。
少年は小川でドルフィンを捉へて笑つた。
(西脇順三郎詩集(岩波文庫)より「太陽」)
大学時代、詩の授業で触れた西脇の詩。
窓辺から射す光がページに宿り、ことばが放射する異国の夏の香り、
明るみが黒い文字から立ち上り、鮮やかなイメージに強く魅了されました。
西欧的世界観と東洋的幽玄の世界の融合、
順三郎独自の詩世界は、今なお、
多くの読み手を広やかなポエジーの世界へ誘う力があります。
夏の光は、どこか詩世界への扉をそっと叩くようです。
ぜひ手に取ってみてください。
【洪水企画】
▶「みらいらん」(定価:1000円+税)
※全国の書店にてご注文いただけます。
また、上記サイトから、直接ご購入も可能です(送料サービス)
ご高覧頂けましたら嬉しいです。
どうぞ宜しくお願いいたします。
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