【今夜の一冊☆ウェブスター『あしながおじさん』～調布FM「神泉 薫 Semaison 言葉の庭へ」】

暖かくなりましたね。

桜はご覧になりましたか？

外出自粛が続いていますが、見上げればどこかに花びらが舞う時間があります。

こんなときだからこそ、より美しさを感じます。

さて、毎週木曜日放送のラジオ番組のお知らせです。

「神泉薫　Semaison スメゾン　言葉の庭へ」

スメゾンとは、フランス語で種まきを意味します。

人と人、人とことばを結んでゆく「ことばの種まき」をテーマに

読みつがれゆく本のご紹介、そして、詩の世界をお送りしています。

今夜ご紹介する一冊は、ジーン・ウェブスター作・岩本正恵訳『あしながおじさん』（平成２９年/新潮文庫）。

アメリカの女性作家ジーン・ウェブスターが1912年に発表した小説・児童文学作品。

孤児院で育った少女ジュディが、才能を見込まれ、一人の資産家の目にとまり、毎月手紙を書くことを条件に、大学進学のための奨学金を受ける物語です。

謎めいた愛あふれる「あしながおじさん」と愛を実らせる展開は、みずみずしく、初々しい女性の成長と感性が楽しめます。

また、ジュディが、大学生活の日々を手紙でつづり、ジュディ自身が書いたという設定で挿まれる絵は、ウェブスターのもので（書影のカバー装画）、とてもユーモラスで味のあるタッチのイラストなのですよ。