犀星、たおやかなことば。
もし金魚が恋人だったら、どんな夢をともに見るでしょう?
ひんやりとした肌触りの、けれど、時にまなうらに赤い河が流れてゆく、幻想的で美しい水の匂いが漂うものかもしれません。
2016年4月に、映画化され話題になった、『密のあわれ』は、詩人、小説家、室生犀星の小説が原作。小説家の林芙美子が大好きだったという詩人です。
物語は、シュールで不可思議、ひとりの老作家と金魚の対話がゆるやかに続きます。ふたりは(ひとりと一匹?)は、恋人同士になり、金魚は赤井赤子という名を持って、作家の日々をたおやかに彩ります。
金魚なのにおこづかいをおねだりする可愛らしい赤子を、二階堂ふみさんが演じています。犀星をほうふつとさせる、老作家役は、大杉漣さん。素敵な俳優さんの存在感は、色あせずに画面の中に生き続けます。
室生犀星の小説『密のあわれ』、調布FM「神泉薫のことばの扉」2018.2.17放送分アーカイブにて朗読しています。めくるめく犀星文学の世界を、そっと味わってみてください。
小説『密のあわれ』、本を読んでみたい方は、こちらから!
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