独り立つ、左川ちか
昭和モダニズムを代表する女性詩人、左川ちか。
享年、24歳、その短い生涯の内に花開いた詩は、今なお色あせず、鮮やかなことばの軌跡を描いて、読む者の胸を打つ。
日本的な抒情や女性性にもたれずに、凛とひとり立つ、ちかのことばは、
ときに痛みを伴う清浄な光のようだ。
春先には視界が緑に染まるほど、視力が弱かったという、ちか。その瞳に移る生命の色、華やぎは、魂の内奥へ燃える火となって、ペンを駆り立てた。
黒の天鵞絨の洋服が好きだった、ちか。その裏地は赤だった。
秘めたる赤は、ちか、そのものを象る色であったのかもしれない。
調布FMラジオ「神泉薫のことばの扉」2017.11.4放送分アーカイブにて、ちかの詩をお届けしています。
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