夢十夜、ひとときの幻を。

 

 文豪、夏目漱石。森鴎外と並んで、みなさん、良く知っている国民的な作家です。


 漱石の小説、代表的な作品、『三四郎』、『それから』、『門』、『こころ』と、多々ありますが、おススメは、短編小説『夢十夜』。


 万華鏡をくるくる回して見える色彩豊かな光景をみるようで、「知に働けば角が立つ、情に掉させば流される」と世間を斜めに見る漱石の文体の印象が、ガラリと変わります。

 

「夢十夜」の第一夜、女と男の会話だけで成立している、妖艶な雰囲気を持つお話。とてもつややかな官能性があります。


 また、「夢」を文学のテーマとして描く、多くの作家が試みる手法です。作家の隠された本心が覗き見えるかもしれません。
 
 調布FMラジオ「神泉薫のことばの扉」2017.8.17放送分アーカイブにて、漱石の夢十夜、ぜひ、聴いてみてくださいね!

詩人・作家 神泉 薫(Kaoru Shinsen)のブログ ~言の華~

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