三角さんに、こころあり。

 

 子どもの本の魅力。


 それは、何といっても、生きとし生けるものすべてが、等しくことばを持つことではないでしょうか。


 ひと、だけではなく、動物も植物も、空も海も星々も、物語の中では、みなことばを交わし合い、ひとつの世界に生き、呼吸をしています。同じいのちを持つ者同士、こころ豊かに語り合う世界があったら、世界に争いは消えてなくなるのではないか、そんな希望を、いつも思い描いています。


 巌谷小波の童話『三角と四角』は、三角さんが、ユーモラスで可愛らしい主人公。自分の角をこよなく愛し、自慢をする三角さんが、とても愛らしいのです。角を巡って、四角さんと戦う姿、ほっこりとした笑いを誘います。


 近代児童文学の発展に大きな貢献をした小波の童話、調布FMラジオ「神泉薫のことばの扉」2018.3.31放送分アーカイブより、ぜひ聴いてきてくださいね!


詩人・作家 神泉 薫(Kaoru Shinsen)のブログ ~言の華~

「ことばを贈る 言葉を届ける コトノハの種まきを」 時代と共に「ことば」を耕します。