【温かな手へ〜ことばの種をまく】


茜色の夕空を見つめながら
2023年がゆっくりと終わりに近づいています。

今年は、長年温めていたエッセイ集『光の小箱』の出版が、心より嬉しいお仕事でした。

詩集、評論集、エッセイ集とジャンルの異なる本を出版することを、書き手として目標のひとつとして来ました。

近年、詩集『白であるから』、試論集『十三人の詩徒』、そして『光の小箱』の出版においては、七月堂さんに大変お世話になりました。

作品を書くことは、独り机に向かうことの繰り返しですが、本という形として、

産声をあげる、その生誕の場には、たくさんの手を必要とします。


改めて、出版のプロセスの中で
作品に触れ、ことばに触れ、
私の拙い思いに寄り添って下さる手があることに

心より感謝の思いがあふれます。


そして、産声をあげた本を
また新たな手が受け取ってくれます。
本屋さん、読者の皆さま。

私という媒体を通して
宇宙から降り注いだことばたちを
ひとりひとりの手が
温かく包む。

その時、この上ない喜びが
光のように胸に広がってゆきます。

今までも、今も、これからも
真摯に、ことばの種をまいていこうと思います。

新たな出会い
未知の手へと届いてゆきますように。



♢詩集『白であるから』(七月堂/2019)


♢試論集『十三人の詩徒』(七月堂/2021)


♢エッセイ集『光の小箱』(七月堂/2023)



詩人・作家 神泉 薫(Kaoru Shinsen)のブログ ~言の華~

「ことばを贈る 言葉を届ける コトノハの種まきを」 時代と共に「ことば」を耕します。