林芙美子記念館へ〜文学館めぐり1〜

   
 薄曇りの土曜日、東京都新宿区中井にある林芙美子記念館を訪れました。
   
   築70年以上も経つ記念館は、実際に芙美子が生涯を閉じるまで暮らした家です。
  とても落ち着く空間にしつらえられており、執筆と暮らしを愛おしむ、芙美子の思いが伝わってきます。温かい体温が感じられ、豊かな生活の匂いが漂ってきます。

    書斎を見つめていると、原稿用紙に向かう芙美子の背が見えてくるようです。


   都会の一角とは思えないほど、緑と風にあふれ、しんと静かな雰囲気。

 
   実際に暮らしたのは、10年ほどと短い間だったそうです。もっとたくさんの作品をここで生み出したかっただろうと思います。

   また、芙美子のアトリエで、NHKアーカイブスの映像から、思いがけず、芙美子の聲を聴くことが出来ました。とても、凛とした良い聲。
    潔く、たくましく、そしてこよなく文学を愛した芙美子の人柄が感じられました。


   また、現在、太宰と芙美子の交流を知ることができる企画展が開催されています。2人は、同世代、同時代に生き、親しく交遊していました。あの『ヴィヨンの妻』の装幀、挿絵は、芙美子が手がけているのです。

    今の時代には考えられない濃密な人間同士のつながりが感じられました。温かい血の交流を思いながら、記念館近くを流れる小さな川を見つめました。

  
   お決まりですが、グッズも楽しみのひとつ。
モダンな写真と一筆箋を。パリに立つ芙美子、素敵な一枚です。

  

   調布FMラジオ「神泉薫のことばの扉」、林芙美子の作品を朗読しています。
下記のYouTubeより、過去放送分アーカイブ、 どうぞお楽しみ下さい。

 
  ~林芙美子の詩「赤いマリ」「凱旋門から」「ひかり」~

~林芙美子のエッセイ「朝御飯」~

 

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詩人・作家 神泉 薫(Kaoru Shinsen)のブログ ~言の華~

「ことばを贈る 言葉を届ける コトノハの種まきを」 時代と共に「ことば」を耕します。